(13) 「韋駄天」
金栗四三翁を主人公にしたNHKの大河ドラマ「いだてん」は前宣伝のほどには視聴率が上がっていないようです。やっぱり、日本人は時代劇の方が好きなのかも・・
そもそも「韋駄天」は仏教の増長天の八代将軍の一つであり、また増長天などの「四天王」の下にいる三十二将の親分だということになっています。そして、仏教の伽藍や厨房を護る守護神になっています。
(*四天王は、仏教の世界観である須弥山の中腹に住んで仏教を護っている四つの神(東方の持国天、南方の増長天、西方の広目天、北方の多聞天)のことです。増長天はその四天王の一つで、主に仏教の伽藍の守り神になっています)
← 韋駄天像(美濃・鹿苑寺蔵)
伝説によると、「捷疾鬼」という悪鬼が、釈迦の遺骨である仏舎利を奪って逃げたとき、韋駄天がこれを追って無事に取り戻したそうです。その故事にあやかって、江戸時代には東海道などの各街道筋を「飛脚」が飛ぶような「韋駄天走り」で書状を配達していました。
1912年(明治45年)のストックホルムのマラソンで出場しましたが、レース途中で日射病により意識を失って倒れ、近くの農家で介抱され、目を覚ましたのは既に競技が終わった翌日の朝だったそうです。。
↑ 昔の飛脚
ついで、1920年のアントワープでは時間48分で16位に終わっています。 さらに、1924年、のパリオリンピックでは途中棄権しました。
← 金栗四三翁
最近の日本のマラソン界では女子の活躍に反して、男子の成績が振るいませんね。
オリンピックのマラソンの日本男子の成績は、1968年、メキシコオリンピックの君原健二の二位が最高で、1936年(昭和11年)のベルリンオリンピックでは、日本代表として出場した孫基禎が2時間29分で優勝しましたが、戦後、彼の国籍が代わり日本人の優勝とは成っていません。
(ベルリン オリンピック・・一位でスタジアムに入る孫選手)
次の東京オリンピックのマラソンでは、全米、全豪オープンと連続優勝した大坂ナオミ選手のような素晴らしい活躍を望みたいですね。
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(昭和39年10月10、東京オリンピック・昭和天皇の開会宣言)